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ペミカ・カンチャノータイさん=2024年12月21日、秩父別町、佐々木洋輔撮影
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Be Ambitious!:6 ペミカ・カンチャノータイさん タイ→秩父別

 真っ白な雪景色に「ワオ」と興奮した声が響き渡る。北海道の真ん中から少し日本海側に位置する秩父別(ちっぷべつ)町は、道内有数の豪雪地帯。ここでタイ人たちを案内するのは、町企画課のペミカ・カンチャノータイさん(31)。訪日客を呼び込むためのインバウンド事業担当の臨時職員だ。

 みんなからは「アン」と呼ばれる。タイ北部パヤオ県出身。物心がついたころからJポップに親しんだ。歌詞が読めるようになりたい。意味を知りたい。日本語の読み書きを覚える原動力だった。

 高校で日本語を専攻し、バンコクのタイ商工会議所大学日本語学科に進学。在学中に下関市立大学に1年間留学した。ある日、電車の乗り換えのアナウンスを完璧に理解できた。「わたし、日本語がわかる」。涙が出るほどうれしかった。

 日本への留学中、スーツを着た人が自転車に乗っている姿に驚いた。タイでは暑いので自転車に乗らない。「タイではスーツを着た人は、社会的地位の高い人。そんな人が車じゃなくて自転車なんだ」。見るものすべてが刺激的で、いつか日本で暮らしたいという思いは募った。

 バンコクの大学卒業後、知人から紹介されたのが秩父別町のPRの仕事だった。当時、「北海道」は名前しか知らなかった。

 夢をかなえたい。パッションを追い求めたい……。そんな思いで、海の向こうから北海道にやってきたYOUたち。次回はサラブレッドの産地・浦河町で馬の育成に携わるインド人物語です。1月22日午後6時、配信予定です。

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 人口約2200人の秩父別町…

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